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人間関係の苦労。無意識に、その台本を書いていたのは<私>だった。




父の心臓そのものはこれからよくなることはない・・・

と、ドクターから説明を受けた日、

病院からの帰り道に、母がつぶやきました。



お父さんを怒らせないようにしないと。



無意識に口をついて出た言葉。



そう、母は父を「怒りっぽい人」と、その瞬間、無意識に確信していました。



<今>に、過去を影響させる危険



夫婦になって、52年。

父の虫の居所が悪いと、怒りのスイッチが入り、


母はその瞬間、圧倒され、固まってしまう。


そして、その怒りを避けるために、顔色を伺い、言う通りにする・・・


そんなくりかえしを、幼い頃、私も見てきました。


少なくとも、その時には、そう見えていました。


信念(思考、考え、思いこみ)が現実化するとしたら?

過去の経験から、「父は、怒りで人を圧倒する人」だと


母が思ったとしても不思議ではありません。

でも、もし・・・


自分の信念(思考、考えや思いこみ)を、人が経験するとすると・・・、


いつまでも怒らせないようにと細心の注意を払う人生になってしまいます。


あきらめて、昔からお馴染みの夫婦の緊張のドラマを続けるか、


それとも、


このくりかえしの原動力になっている<無意識の何か>を探検し手放し、


新しい関係をスタートさせるのか



「このくりかえしをやめたい?」と聞くと


母は、ゆっくり頷きました。


Avatar Persistent Identity Procedure

(しつこいアイデンティティ処理のプロセス)を使っての探検・・・



静かに自分で探検していた母が急に



私だったわ。そうか〜〜〜、わかった!

それは、何かが解明される瞬間。





自作自演???


母は、母の祖父と祖母に育てられました。


明治生まれ。学校の校長先生で、母を可愛がってくれた祖父と


それを支える良妻賢母を絵に描いたような祖母。


母にとって、穏やかな祖母は、理想の女性でした。


どんなときにも感情的にならず、落ち着いていて、愛情深い女性。

両親がそばにいない母の悲しみを和らげてくれる人。

大きな愛。


おばあちゃんのみたいになりたい・・・


私は、そう決めたんよ・・・


忘れていた光景が急に母の中で蘇ってきました。


わたしをとても可愛がってくれたおじいちゃん。


でも、おばあちゃんにはとっても厳しかったんよ。





厳しく叱責する祖父の前で、ただ嵐が通り過ぎるのを待つ祖母。


その二人の光景が、嫌で嫌で、


避けて部屋に逃げ込んでいた母。


夫婦とは、強者と弱者の関係だという透明な信念。


おばあちゃんのような思いはしたくない!と強く抵抗しながら、


おばあちゃんのようにするのが当たり前!それが正しい!って、


知らず知らずに思い込んでいたんやね。


だって、おばあちゃんみたいになりたいって思ってたから。


いつも何か怒られるんじゃないか・・・


間違っていると言われるんじゃないか・・・


そうやって、身構えて、小さくなっていたのは私。


そうすることで、お父さんの本当の声を聞いてなかった。


耳が閉じてたね、そりゃ、イライラするね。


お父さんが悪い!怒りっぽい!って、思ってたけれど、


私がその状況を創り出していたなんて!


でも、本当は、


お父さんが、お互い正直に話するのが好きな人だって、


わたし知っているわ・・・


と、ケラケラと笑いだしました。




気づくことは、未知なるものや、意識が誤解しているものの中に存在します。 未知なるものとは、認識されていない何かのことです。 —出来事や、人、つながり、あるいは状態、つまり欠けている断片です。 誤解とは、何かを正しく解釈するのに失敗することです。 アバターの道 著:ハリー・パルマー




この台本をつくっていたのは、自分自身だった・・・



と母が気づいた瞬間、くり返してきた夫婦の物語は終止符を打ちました。



「これからは、どんな関係を創りたい?」と、聞くと


二人で手を取り合って、残りの人生を、人の役に立つように歩いていきたい


と母は答えました。





人生で苦労していたことは、自分が無意識で仕掛けていた<巧妙な罠>


アバターは、そこから抜け出る道です。


抜け出た後は、新たな物語を創っていくチャレンジがはじまります。



 

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